LoRaレスキューネット事業
LoRaレスキューネット事業化
情報セキュリティ研究所
災害から子どもを守ろう
紀南地方の各自治体でも、地震発生後早い時期に津波が襲うと推定されている。海岸地域の都市では小中学校など多くの施設は津波への対策が喫緊の課題となっている。
このように地震発生後短時間で津波が来襲することを想定して、子供たちを直ちに非難させるとともに、被災した子供たちを効果的に救援することがもとめられている。
被災した子供たちを限られた時間と人数で救援隊が効率よく救助するためには、子供たちがどこにいるかを確実に把握するということである。そのために、本事業ではGPS発信機を子供たちのヘルメットや衣服に取り付け、定期的に位置情報を発信することにより、防災センターで子供たちの安全確認や救援の必要性を把握できる救援サポートシステムを準備することである。また、そのシステムを使ったタブレットを救援隊が持つことで、最適なルートで救援を必要としている子供たちを助ける支援を行うことを目的としている。
子ども・老人を守ろう
- 子どもたちを災害から守るため、教室に無線ヘルメット、ジャケットを常備しておく。
- 災害発生時に生徒が着用し避難する
- 停電時でも駆動可能としたい。(衛星利用)
- ヘルメットに装備したGPS発信機が定期的に居場所を発信する。
- 避難先や逃げ遅れた生徒らの位置と情報を確認することができる。
LoRaとは
・LoRaとは、LPWA(省電力長距離通信)の一種で、「LoRa Alliance」が定めた「無線ネットワーク規格」の名称です。IoT向けの通信規格で、世界的に広く利用されています。
・また、LoRaWANはライセンス不要の特定小電力無線で、サブギガ帯と呼ばれる920MHz帯を使用しています。
・LoRaWANは、ボタン電池1個で双方向通信が可能で、3G回線等を利用した通信方式に比べ非常に省電力であるといえます。
・LoRaWANの使用する920MHz帯は、他の無線ネットワークが存在する環境下でも安定的に通信を行うことが可能です。
今回の実験モデル
ゲートウェイ、地図表示アプリ(クラウド)、トラッカー(エンドノード)で構成される、維持費不要の狭域ネットワークです。
【特徴】
- 維持費不要の狭域ネットワーク
- ゲートウェイ1台で完結するプライベートネットワークシステム
- ゲートウェイに受信するトラッカー(エンドノード)の設定を行う
- 地図表示アプリにトラッカー(エンドノード)の設定・管理を行う
- トラッカー(エンドノード)の送信間隔・モード変更などは専用ツールで行う
- ゲートウェイAとゲートウェイBは相関は無いが、地図表示アプリの同一アカウント内で同時表示・管理可能
- 学校の児童モニタリング、小規模空港のカート管理、ゴルフカート管理、エリア別鳥獣被害、各倉庫への車両立寄状況管理などに最適
- UDP、HTTPに対応
【LoRaトラッカー(エンドノード)】
今回使用するトラッカーはLPWA通信方式で動作するトラッカーでLoRa WAN対応。LoRaは920Mhz帯を利用する免許不要通信方式で都市部で2~10km、郊外で最長25km程度の通信が可能。
本実験では、モジュールの組み合わせを行わず、トラッカーを使う。
無線レスキューネット(業務サービス)
具体的な避難手順
定例の訓練
- 避難対象生徒が、先生の指揮のもと一斉に避難訓練
- トラッカー付きのライフジャケットを装着した生徒(約30人)が思い思いの方向に避難
- 事前にビーコントラッカーを保育園保管のライフジャケットに取り付ける。
- 可能であれば、事前に当該避難所の非難予定者を登録。
- 避難所で園児の位置をモニターで確認する。
- 避難所へ無事避難した園児は消込し、表示を緑に変える。
- 捜索隊のタブレットで園児の位置表示を確認
- 生徒は、逃げた先で物陰に隠れ、通信実験を行う。
- ビルなどの丈夫な建物へ逃げることも実験する。
- 捜索隊がタブレットを参照し、捜索を開始。
- 先生は、避難中の事故を想定しアラート信号を発信。
- 捜索隊が隠れている子を探し出して保護
【主な活動報告】
2019年7月8日 消防指令センター、消防本部との打ち合わせ
2019年6月20日 消防本部との打ち合わせ(第1回)